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  • 2022/01/27(木) 22:45:25
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ゴルゴ塾で生まれた雷鳥ポーズ 姉弟コンビは「アー\(^o^)/」と舞い戻る

2022年1月9日12時00分
写真・図版 ネタ合わせの様子を再現する雷鳥のお姉ちゃん(左)とゆういちさん。「おじいちゃん、おばあちゃんになっても姉弟でネタを続けたい」=2021年12月7日、富山市新桜町、押切基之撮影
ネタ合わせの様子を再現する雷鳥のお姉ちゃん(左)とゆういちさん。「おじいちゃん、おばあちゃんになっても姉弟でネタを続けたい」=2021年12月7日、富山市新桜町、押切基之撮影
 姉弟のお笑いコンビ「雷鳥」の弟「ゆういち」がお笑い芸人を志したのは、高校生の時だった。
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 周囲になじめず、自分をさらけ出せない。毎日が憂鬱(ゆううつ)だった。
 でも、家で「ダウンタウンのごっつええ感じ」や「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」など、テレビのバラエティー番組を見ると、元気が出た。
 お笑いでなら、自分を表現できるのでは――。高校卒業後、1年間アルバイトしてお金をため、1999年春、生まれ育った富山県射水市を離れて東京の芸人養成学校に入った。
■体調を崩して実家に
 だが、体調を崩して半年ほどで実家に戻り、地元の会社に就職した。
 翌年の夏ごろ、県内でアマチュアのお笑いコンテストがあると知った。また情熱がわき上がった。
 ただ、ネタはあるのに、相方が見つからない。友人3人に断られ、自宅で落ち込んでいる姿を見かねた母親が、2歳上の姉の「お姉ちゃん」に言った。
 「1回でいいから、一緒に出てあげたら」
 当時、保育士として働きながら大学に通っていたお姉ちゃん。「芸人になるなんて、これっぽっちも考えていなかった」。でも「弟がかわいそうだと思った」。一肌脱ぎ、コントに挑んだ。
 結果は予選落ち。
 「なんで、悔しい」。お姉ちゃんの心にも火がついた。中学と高校時代、新体操で全国入賞を果たしたが、けがで続けられずモヤモヤした思いがあった。そんな気持ちの出し先が見つかった。
 翌年、同じコンテストで漫才を披露し、特別賞に輝いた。その後、たまにアマチュア芸人のライブに出ていたところ、地元テレビ局の目にとまり、ラジオやテレビのリポーターなどを任されるように。「バブルだった」とゆういち。一方で、次第に「もっとネタを磨きたい」との思いが募った。2009年春に2人で上京し、秋にワタナベエンターテインメントのコメディースクールに入った。
 「ふるさとは大切に」。半年後、スクールの恩師が言った。コンビ名を「ほいっぷじーんず」から、富山の県鳥である「雷鳥」に変えた。
 他にも候補はあったが、同期の占師の予言が決め手になった。
 「女性が前に出て、男性が一歩下がるコンビになる。成功する」
 10年10月、晴れて事務所の所属芸人としてデビューした。
 「地道にやってきたことが形になった」と、ゆういち。
 その後まもなくして、雷鳥は、一生もののギャグを手に入れることになる。
■突然の「招集」
 「お呼びがかかっています」
 先輩からの招集は、マネジャーを通じて突然知らされる。
 事務所のお笑いコンビ「TIM」のゴルゴ松本が、若手を集めてギャグを突き詰める「ゴルゴ塾」だ。
 ゆういちは最初、ゴルゴの「愛ある厳しさ」に参加をためらった。かたやお姉ちゃんは、アンガールズの田中卓志や、あばれる君らと毎回5、6時間、「ギャグや面白い動きをやりまくった」。
 ある時、事務所のスタジオでゴルゴが言った。
 「売れるには『命』のようなトレードマークが必要だ」
 ゴルゴの代名詞と言えば、体全体で作る「命」のポーズ。雷鳥にも、そんなインパクトのあるギャグが必要だと考えてくれたようだ。
 「富山」「姉弟」「雷鳥」……。スタジオのホワイトボードに言葉を書き出す。
 「鳥だな。お姉ちゃん、ちょっと手と足を上げてみろ」「雷鳥は、なんて鳴くんだ」
 生き生きと、身ぶり手ぶりを交えて動きを練るゴルゴ。言われるままポーズを取るお姉ちゃん。隣でその様子を見るゆういち。
 「雷鳥だよ、アー\(^o^)/!」
 両手と片足を挙げると同時に、お姉ちゃんが声を張り上げる。漫才のつかみにもなる、お決まりのポーズが生まれた。
 「コンビとしての代名詞をもらった」。お姉ちゃんは感謝する。

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