- 滋賀「米原駅」がびっくりするほど栄えてない理由 新幹線が停まるのになぜ? | Merkmal(メルクマール)
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- 東海道新幹線、東海道本線、北陸本線、近江鉄道が乗り入れているにもかかわらず、米原駅周辺は活気がない。というか、本当に何もない。なぜなのか。
米原駅前が長年にわたって発展できない最大の理由は、JR貨物が構想したターミナル駅の建設計画に翻弄(ほんろう)され続けてきたことにある。
この計画は2001(平成13)年に持ち上がったが、その実現性は当初から不透明だった。にもかかわらず、米原市は駅南側に工業団地を整備を計画し
「滋賀統合物流センター(SILC)」
なる壮大な構想を描き、物流拠点としての未来を夢見た。
ところが肝心のターミナル駅の計画は進展しなかった。その結果、いくつかの企業はよびこめたものの企業誘致は低調なまま。結局、2022年になり、JR貨物はターミナル計画を中止することを決めた。
いつ実現するか分からないターミナルに翻弄され
「“夢の物流拠点”に固執し続けたこと」
これによって、駅周辺のグランドデザインが描けなかったのである。いま、ようやく米原駅周辺は未来に向けたビジョンを描けるようになったばかりだ。
とにかく、米原市には観光資源がない。市内の寺社仏閣は、単体では集客力を発揮できていない。多くの戦国大名が争った北近江だけに城跡もあるが戦国ファンを引き付けるストーリー性が弱い。同じ滋賀県で
・国宝の里(多賀町)
・忍者の里(甲賀市)
・彦根城(彦根市)
など、明確なテーマ性を打ち出す周辺地域に大きく水をあけられている。かつての鉄道施設も多くは失われており「鉄道の町」戦略も困難だろう。考えうる観光振興は、長浜市や彦根市と連携した
「広域観光ルート」
の開発である。各市の観光資源を結び、その玄関口として米原駅の存在感を高めることはできるかもしれない。しかし、肝心の米原市には、観光客に立ち寄ってもらうだけの観光資源がない。これでは、単に通過される“玄関口”になってしまう恐れもあるのだ。米原市は
「なにもない」
という現状を認識したうえで独自の観光戦略を構築できるかが、今後の課題である。