「妻に席を譲ってもらえませんか」新幹線自由席で哀願するW抱っこ紐夫婦。指定席を予約しなかった理由に「知るか」の声

「のぞみが全席指定となることを歓迎する声は多いですが、予定が定まらない人などには自由席が人気です。しかし、体の状態などに不安がある人、幼いお子さん連れの方などは、在来線のような優先席もないため、新幹線は指定席の予約をしておくことも一案といえます」

こう話すのは危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏。平塚氏は、新幹線は在来線とは異なり、たとえ自由席でも座席を譲りたくないという人は少なくない、とした上でこう助言する。

「新幹線は在来線に比べて運賃が高いこと、旅行などに使う方が多く『特別感』があることなどから、簡単に譲りたくないと思われることも多いのではないでしょうか。

立っているのがつらそうな方がいたら、乗務員を呼んできてあげたり、多目的室の利用が可能かどうか問い合わせてあげるなどすることも助けになります。

「『すみませんが、妻に席を譲ってやってもらえませんか』という男性の声が聞こえて目を開けると、僕の隣に座っていた30代くらいの女性に、ダンナさんが声をかけていたんです。

女性が通路側、僕は窓側に座っていました。僕らは座席の先頭に座っており、通路を挟んで向こうには親子連れみたいな3人が座っていました。声をかけやすそうな人を選んだのでしょうか」

夫の話では、妻は妊娠中だとのこと。安定期ではあるがしんどそうなので妻だけでいいから頼むという話であった。

「僕の隣の女性は『私も夜勤明けなのに…』とつぶやくと、なぜか『どうします？』という顔を僕に向けました。夫さんは女性に頼んだのに、女性は『譲るなら僕も譲って夫婦2人とも座らせた方が良くない？』みたいな雰囲気を出していました……とばっちりって感じでしたね」

すると、後ろの席から見ていた様子の中年女性が『赤ちゃん2人もいるんじゃ、指定を予約したらいいのに』と聞こえるように言いました。内心、大きく頷きたかったですね」

夫婦は後方の客の「嫌味」を受け、「ギリギリまで帰省するかどうしようか迷って…」と弁解めいた発言を誰に向けるでもなく呟いた。

後ろの席からは「そんなの知るか」という批判的な声が聞こえてきたそうで、Sさんも「座席予約はキャンセルすることもできるのだから、帰省の可能性があるのならしておけばいいのに…」と思わず言いたくなったという。