- ショッピングモールなどにやってくる“熱中症避難民”の高齢者たち 開店から注文せずフードコートの席を陣取り他の客とトラブル発生も|NEWSポストセブン
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「なんだバカ女が、暑さで死んだら責任取れんのか?」
声の主は、70代くらいの高齢男性。高齢者男女数名で、イートスペースのテーブル席を陣取っていたが、テーブル上には食事は見当たらず、紙コップがいくつも置かれている。当時の様子を目撃していた、フードコート内にあるうどん店の男性店員(20代)が振り返る。
「怒鳴ったお客様たちは、10時のオープン直後に入店し、何も頼まず4時間以上席を陣取ってお喋りされていたんです。いや、イートスペースに置かれた無料の水やお茶を1人何杯も飲んでおられました。昼食どきになって混雑しても席を立つ気配はなく、食事を購入したものの席に座れず立ち尽くしていた若い女の子3人組が”席を変わってほしい”とお願いしたようなんです。それに対して、男性は激昂されました。正直、あまりに理不尽だと思いますよ。女の子たちは泣いていました。男性たちはその後も談笑を続け、午後になってやっと席を立たれました」(うどん店店員)
筆者も最近、駅ビル内の飲食店が並ぶ通りの目の前のベンチを占拠する、高齢者グループを見かけるようになった。店のオープン前からすでにベンチに座っていて、昼時になると、店に並ぶ一般客の目の前で持参した弁当を食べ、数時間、多い時は朝から夕方までほぼ丸一日、おしゃべりに興じているようなのだ。
今のところは仕方のないこと
夏休み、という事情も影響しているのかもしれないが、熱中症避難を目的としている人たち、主に高齢者と子供たちによるトラブルは、図書館でもおきていた。千葉県内にある市立図書館の女性スタッフ(60代)が打ち明ける。
「朝のオープンと同時に、ご近所の高齢の方がバーっと押し寄せて、涼しい読書スペースが一気に埋まると、その後に勉強しにやってきた小中学生の席がなくなるんです。コロナ禍以降、そういったことが続き、今年は”学習スペース”を別途設けました。それでも構わず、高齢の方が席でイビキをかいている。出ていけとはいえず、皆が苦々しい思いをしているのです」(図書館スタッフ)
こうした傾向は、都会でも地方でも構わず現れはじめているようだ。佐賀県内の開業医の男性(50代)は苦笑しつつこぼす。
「高齢の患者さんの中には、体調が悪くないのに毎日やってくる方が何十人もいらっしゃる。誰々さんが病院にきてないけど、体が悪いのか? なんて会話が出るほどです。確かに、最近の夏は異常な暑さで高齢者には危険ですし、特にお一人暮らしの方は、高騰する電気代に不安を感じて、エアコンを我慢する方までいる。病院に来れば、仲間だっている、安心できるということでしょう。診察が終わってもなかなかお帰りにならない高齢者ばかりで混雑することもあります。今のところは仕方のないこと、と考えるほかありません」(開業医の男性)